100分de名著 『三木清 人生論ノート』

『ラッセル 幸福論』に続き、100分de名著シリーズ。今回は日本人の著者。幸福論にかなり似ているところがある。

以下自分なりにこの本をまとめてみた。ただし、自分なりの解釈も入っている可能性もある。


自分が幸福であることは重要である。なぜなら、自分が幸福でなければ他人に優しくすることができないから。

幸福=成功ではない。何かを成し遂げると幸福になるのではなく、自分の力で今すぐにでも幸福になることはできる。

自分を苦しめるもの(不幸の原因)は他人の目を気にして、自分を大きく見せること(虚栄)である。その点で、偽善者は不幸である。なぜなら偽善者は他人を常に意識し、他人の求めている役割だけを演じているからである。他人の評価ではなく、自分の評価で自分を作り上げるべきである。それは虚栄ではなく向上心と言える。向上心から、現実を変えることができる。


世界が広大すぎて、生きていくことに絶望するような徒労感がある。例えば、自分が何をしても世間には何の影響も与えるから意味がない、どうせ死ぬのだから生きて何をしても無駄だ、など。しかし、自分は存在しているという事実からは逃れられない。だからその虚無から、自分自身で生きていく意味を作っていかないといけない。

孤独であることを恐れてはいけない。例えば、世間とは異なる意見を持っていて、それを発表すると非難されると思っても、発表する勇気を持たなければならない。何も発せずに黙っていることも自分自身に責任とて跳ね返ってくる。

生きていることは不安定なことである。不安定だからこそ、希望が生まれる。なぜならもし一切が保証されていたら希望すらなくなる。