おっさんに言われた「君の選択はベストか?」の意味

スウェーデンに来る前に、元の職場のおっさんが「君のやりたいことをやるのに、スウェーデンがベストなの?」って聞かれた。僕は正直「は?」と思った。

ベストかどうかと言われると、ベストではないと思う。僕にとってもっといい環境は他にもたくさんあった。でも、仕事をするには誰かに雇ってもらわないといけないのだから、自分がやりたいことがあっても、雇ってもらえなければできない。僕はどうしてもスウェーデンに来たくてたまらなかったわけではなく、たくさん履歴書を出して、受かったところがスウェーデンだったというだけだ。

ただし、"僕が選ぶことが出来る選択肢"の中ではスウェーデンがベストだったと思う。あの時の僕の選択肢は、スウェーデンに行くか、東京の株式会社ブラックに留まるかだ。あのまま株式会社ブラックにいるなんて、考えるとおぞましいし、どっか海外で暮らしたいと思っていた。その際には人とモノが集まる都会がいいと思っていたので、ストックホルムに就職できたのは良かった。

元の職場のおっさんは一体どういう意味で「スウェーデンがベストか?」と聞いたのだろうか。もし「世界中のすべての職場の中でスウェーデンの職場がベストか?」と聞いたのであれば、あのおっさんはすべての事柄が自分の思い通りにいく超権力者か、自分のやりたいことに挑戦したことのない人間だろうな。