『珍夜特急』、ストックホルムを華麗にスルー

本が好きで、日本にいるときは毎週図書館で本を借りていたが、外国にいるとそういうことはできない。ということで、定額でたくさんの本が読めるKindle Unlimitedというものに登録した。すべての本が読めるわけではないが、時間を潰すのには十分な種類の本がある。

その中で、『珍夜特急』という本を読んでいる。インドからヨーロッパまで、バイクで旅をするノンフィクションで、沢木耕太郎さんの『深夜特急』のパロディである。

ふざけた名前で、今時世界一周など珍しくもなんともないと思っていたが、読んでみると面白くて結局6巻全部読んでしまった。セカンドシーズンがあるというので、またそれも読んでみたい。

この『珍夜特急』で、北欧に行くシーンがある。僕は今ストックホルムにいるので、やっぱりここの近くに来る話は、ワクワクする。第4巻、ついにノルウェーからスウェーデンに入国し、楽しみに読んでいたのだが、


スウェーデンはあっという間に飛ばしていった。ストックホルムにも寄らずに。

この本にはこう書いてある。

"これまで私は、新しい国に入った際には必ずその国の首都を訪れていた。…にも関わらず、私が今回このスウェーデンの首都ストックホルムを完全に無視したのは、フィンランド以来ずっと続いていた物価高が少なからず影響していたのは間違いない。付け加えるならば、ここを含め北欧の3カ国で特筆すべき相違点を見出せなかったという理由もあろう。"

ということで、著者のクロサワコウタロウさんにとって、スウェーデンはまったく魅力のない国であることがわかった。その後クロサワさんは、オランダで女と薬にはまっていく。街の綺麗さよりも快楽がある方が旅行者にとって魅力的なのである。